「20・30・40・50代いつでも始められる資産運用」では競馬の”馬”に賭けるのではなく、”競馬場”に賭けた方がよいとしてインデックス投資を、そして「インデックス投資編」ではもう少し詳しく解説をしました。
まだ読んでいない方はこちらからどうぞ。
では、個別株投資とは何? というところと、インデックス投資を薦めていたはずなのに個別株投資もしていいの? について説明をしたいとおもいます。
■目次
1.個別株投資とは
3.「長く持ち続ける」のすすめ
4.高配当株と配当貴族株の関係
■1.個別株投資とは
個別株投資は、株を購入することに他なりません。値上がりするであろうとおもう株か、高配当を出し続けてくれるであろうとおもう株を購入する投資です。
一般的な株式投資は、割安な時に買って割高な時に売るという価格差益を狙うものをさすことが多いようです。株トレードともいいますね。詳細な説明は省きますが、割高な時に売って、割安になったら買い戻すという空売り(からうり)という手法もあります。
ここでのお薦めはそうではなくて、優良な株をみつけ長く持ち続けることで資産を堅調に増やそうというものです。
■2.キャピタルゲインとインカムゲイン
株を購入した後に株価が上昇をして売却したとすれば、売値と買値の差が利益になりますね。このことをキャピタルゲインといいます。もちろんその逆もあるわけで、マイナスゲイン(キャピタルゲインがマイナス)もあり得ます。買って売っての繰り返しをして利益を積み上げて行こうというのが、巷でいわれる株トレードというもので、パソコン(もしくはスマホ)の前に貼りついて、株の買い時・売り時を見定めているわけです。これはもう職業としてとらえた方がよいかもしれません。
一方インカムゲインはというと、あまりなじみが少ないかもしれませんが、株を保有していると半年に1回など、保有株式数に乗じたお金(配当金)が支払われるのです。この保有中に得られる収益のことをさします。これはその企業の利益の中から株主(株式を保有している方)へ支払われるものです。元来株式会社という成り立ちはこちらを主眼として起こったものでした。
以下は読み飛ばしていただいても構いません。
世界初の株式会社といわれている、東インド会社は、ヨーロッパに莫大な利益をもたらしました。ヨーロッパから出た船は、インド等のアジアへ向け香辛料等の輸入に向かうのでした。しかし沈没や海賊等のリスクを抱え、成功すれば莫大な利益が、失敗すれば投資が泡と消えてしまうのです。
船を出す者は、資産家から資金を募り、成功報酬として出資金に応じたお金を支払っていました。そしてインドに出先機関が定着したときに、毎回出資をするのは面倒だということで、その機関に一括で出資しようということになりました。この制度を昇華させたのが株式会社に通ずるのです。
金融先進国の米国では、老舗優良企業は配当金を高水準で、長期に渡って出すところが多く存在します。企業の利益に対してどれくらいの割合で配当金を出しているのかを示すのが「配当性向」といいます。
日本企業の配当性向は、米国のそれに比べると低いものです。メリットは為替リスクが避けられることでしょうか。
■3.「長く持ち続ける」のすすめ
優良な株は購入してから長く持ち続けることが肝要です。配当を出し続けてくれるうちは、半年毎にお金が振り込まれてくるのです。このお金は生活を豊かにするために使ってもいいですし、まだ資産を増やすフェーズの方は、インデックス投資の追加購入金に充ててもいいわけです。
個別株投資は、インデックス投資にはない魅力があります。一つは配当金が入ってくることです。実はインデックス投資(購入した投資信託)にも配当はあるわけで、それを追い金として購入(再投資といいます)してくれています。だから見た目には配当は無いのです。
もう一つの魅力は、株価の値上がりも期待できる(キャピタルゲイン)ということです。優良な株(企業)であれば当然欲しい人も増え、少々株価が高くても買います(需要の増加)、そうすると株価も上がっていくわけです(売る方も値を上げても買ってくれる)。
あと付け足すなら、保有株の株価を意識することで、なぜ上昇・下降したのかを自分自身で考察するようになるからです。コロナショックでは旅行会社やアミューズメントパークの株が軒並み下がりましたが、サブスク系(ネット配信など)は上昇しました。このように起因する原因を掴んでおけば、下降しても慌てず持ち続けることができます。コロナ感染が沈静してくると、逆の現象が起こるというのは自明ですね。
■4.高配当株と配当貴族株の関係
高配当株というのはわかった。でもどの株が高配当株なのか? というのが分からないという方には次のサイトや書籍を参考にしてください。
合わせて「配当貴族株」と呼ばれる株も紹介しましょう。配当貴族株は、高配当株の中でも長年に渡り配当を出し続け、さらに一株当たりの配当金を増やし続けて(増配と呼びます、逆は減配、配当金ゼロは無配)いる企業の株のことです。
配当貴族株の例
ジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson)
世界最大級のヘルスケア企業・一般消費者向け(バンドエイド等)の他、医薬品・医療機器もトータルに扱っている
エクソンモービル(Exxon Mobil Corporation)
世界最大級のエネルギー企業。石油・天然ガスの生産、石油化学製品の製造もおこなう
プロクター・アンド・ギャンブル(The Procter & Gamble Company)
世界最大級の日用品消費材メーカー。P&G(ピー・アンド・ジー)ブランドはあまりにも有名、ファブリーズ、アリエール、ジレット等強固なブランドを持つ。
マクドナルド(McDonald's Corporation)
世界で親しまれるファスト・フード・チェーン。もはや説明するまでもない、世界100カ国以上で40,000店舗を展開する。
※三菱UFJ 米国配当成長株ファンドより参照
▷参考書籍